表紙 |
Dispel Magic 3(魔法少女リリカルなのは SS本 文庫版サイズ 本文68ページ) カバーイラスト:草上明さま 奥付イラスト:牧原巌さま |
「まず、シャトルの位置を確定する。エイミィの説明どおりに軌道を変更し更に観測を行う。
魔法少女リリカルなのは
Dispel Magic 3
時空管理局の局員たちは、救難目標に迫っていました。 一方、時空管理局の救難対象であるアルフェッカ・シャトルの乗組員は、偶然に発見した遺跡を探索していたのです。
屋内は灯りが制限されているのか、非常灯のような小さな灯りが足元をところどころ照らしているだけで、全体的に暗かった。
つい最近発見されたばかりで過酷な環境から『無人の世界』と推測されていた第一九二管理外世界は、少なくともかつては文明があったことが遺跡の存在から判りました。
作戦室ではクロノが出動前のブリーフィングを行っていた。
「質問は無いか?」 アルフェッカ・シャトルを捜索しながらの飛行中、レイジングハートは目的のシャトルとは異なる、別の船の残骸を発見します。
"Master, feeble magical energy is felt."(微弱な魔力を検知しました)
なのはは頷いた。 そこで、なのはとフェイトは、第一九二世界の過去にまつわる断片を見ることになるのです。
忘れ去られた魔導師
夢に呪縛された男 それぞれの因縁 それぞれの目標
魔法少女リリカルなのは
Dispel Magic 3それはさておき
うん、と気の無さそうな声を返しながら、すずかは静かにアリサの横まで歩んで同じようにベッドに腰掛けた。
どういうつもりか量りかねて、アリサはすずかの顔を見つめた。 すずかはまっすぐにアリサを見ている。すずかの曇りの無いまっすぐな瞳が、しっかりとアリサの顔を移しこんでいた。瞬きの度に動く長い睫毛が、豊かでふわふわな良い匂いのする髪が、色の白い肌に整った顔立ちが、アリサの視界を占めた。こんな近くで見てもすずかって可愛いなんてちょっとズルイ、とアリサの思考は少し脱線し始めている。 「大丈夫だよ」 やさしい響きが、左手への温もりと一緒にアリサへと届いた。耳元に届けられたくすぐったさと手の甲から伝わる触れ合った肌の感触が、アリサの耳を頬を一瞬で紅く染めた。すずかの小さな口が開くさまからアリサは目を離せない。 「みんなが忙しくなっても、私は、私はずっとアリサちゃんの傍に居続けるから」 アリサちゃんが寂しく無いように私がんばるから、というすずかの言葉の続きは、最早アリサには届いていなかった。 左手を包み込んだすずかの両手にきゅっと力が籠もったのが、アリサには感じられた。その刹那、身体が動いた。 「アリサ……ちゃん?」 すずかはアリサの顔を見ようと首を捻った。しかし見えたのはアリサの長い髪、後ろ頭の部分だけで、顔はすずかの右肩の上にあり隠れて見えない。すずかはアリサに抱き竦められていた。 すずかをしっかりと抱き竦めながら、アリサの心はすずかに対する感謝と友愛で満たされていた。嬉しかった。すずかが自分を大切に思ってくれていることが、単純に、嬉しい。この気持ちをどうやって表現するか、などと考える前に身体が動いたのだ。 密着した身体を少しだけ離して、この気持ちを伝えようとアリサはすずかの顔を真正面に捉えた。 「あ、あたしも……」 海鳴ではカップルが生まれつつあるようです。 |