「あら。どうしたんですか祐一さん?」
「うゎっ!?」
背後から突然にかけられた声に、途方に暮れていた祐一は驚いて過剰に反応してしまった。
振り返って、声の主が知り合いである事を確認した途端に安堵した表情になって
「あ、秋子さん……。情けない話ですけど、俺道に迷っちゃって」
と打ち明けた。
「それは大変ね。この街の大通りは覚えやすいのだけど、こういう」
秋子は周りを見渡して一息ついた。人っ子ひとり居はしない。
そもそも何故このような場所に秋子が現れたのか、祐一には理解できなかった。
「普段誰も通らない小道は判り難いのよ」
「そんなもんですから、済みませんが道を教えてくれませんか?」
「ええ、いいわよ」
いつもの笑顔で1秒了承。
「さて、祐一さんはどっちへ行くのかしら?」
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