みっしぃとーまこぴがー じゃーんぐるにわけいるー♪




- Missy Explorer -



 上手からみっしー登場。まるでヒトシ君人形のような南方探検の装束で、ぺこりと一礼。
「というわけで、我々『みっしーまこぴー探検隊』は此処、青木ヶ原樹海へと足を伸ばしてみました」
 不図気付いてみたら、周囲は日光も届かない樹海の中。
 いつの間にかみっしーの隣に出現していたまこぴーがみっしーの左袖をきゅっと握る。細かく震える足が履く、編上ブーツがざりざりと枯れ枝を踏んで鳴った。
「みっしー。暗くて寒いよぅ……」
「そんな事言わないで、まこぴー。ここも色々と楽しいことがあるんだから」
 まこぴーの頭を撫でながら優しい表情で案内するみっしー。まこぴーの震えは止まらない。
「あぅーっ、寒いし気味悪いし、帰ろうよぅ」
 半袖半ズボンは無謀だと思った(誰がだ)。
 寒いのと気味が悪いのとで、みっしーに掴まったまま小刻みに震えるまこぴー。みっしーはその様をにこやかに見守っていた。頭を撫でる手を止めてまこぴーの頭を掻き抱いて、ふんわりとした髪の毛に唇を寄せた。お日様の匂いがするとみっしーは思った。
 多少落ち着いたのかまこぴーは大人しくされるがままになっていたのだが、そんな様子にみっしーは急に思い立って
「そういえば、まこぴー」
抱き寄せたまこぴーの顔をそっと横に向けさせて、まこぴーの耳元で囁いた。
「この辺りってね。自殺者や遭難者が多いのよ」
「あゥっ!?」
「御殿場の自衛隊の人がね、1年に1回大規模な捜索を行うんですって。遭難者の遺留品や遺体を捜すのね」
「あ、あぅぅ」
「ほら。あそこにある倒木、誰かが座っていたような跡がありますよ」
 涙目で怖がりながらさらに強くしがみ付くまこぴー。まこぴーを抱き返しながらその小ささ暖かさ柔らかさを実感するみっしー。
「さあ、立ってまこぴー」
 泣きそうなまこぴーに手を出して立ち上がらせたみっしー、ある意味怖がる女の子を無理やりお化け屋敷に連れ込む男の子な心境。
「いざ探検しましょう。大自然が私たちを待っています」
 みっしー、元気良く宣言。
「や、やだあ〜〜」
 歩き出そうとしたみっしーに、慌てて留めようとするまこぴー。勢いあまって飛びついてきたまこぴーに、みっしーはバランスを崩された。
「え? ちょ、ちょっと、まこぴーっ!?」
 素っ頓狂な声を上げてみっしー転倒。立ち上がろうにもまこぴーが腰にしっかりと抱きついていてそれも叶わない。
「まこぴー、離れてください。立ち上がれません」
「やだやだやだ〜っ! 立ったらみっしー絶対『探検する』って言うもんっ!!」
「せっかくここまで来たんですから、それはもう……」
「やだーっ」
 ぎゅう、とまこぴーの腕が絞まった。くぅ、と可愛いのか苦しそうなのか判断しにくい声があがる。一言でいえば極まりかけ。みっしーちょっと涙目。
 みっしー、なんとかまこぴーを離せないかと思案して、そして思いついた。
「ま、まこぴー。今朝の占いで今日は探検しないと日本兵の幽霊に呪われると」
 かすれ声でみっしーが言うと、まこぴーさらに強く強く抱きついてお腹に顔を埋めて『いやいや』をした。
「う、うしろに幽霊が居ますよぉ……」
「あぅーっ!!」
 ぽん。
 大変に間の抜けた音がして、まこぴーの頭に耳が出た。狐の、三角の、ふさふさの。ついでに腰には尻尾装備。そんでもって、目の色が真っ赤に変わってたりする。
 まこぴーは組み付いていた腰から離れ、みっしーの肩を両手で掴んだ。
「みっしー!」
「は、はいっ」
「探検するなら」
「するなら?」
「みっしーを探検するっ!」
「えっ? えぇーっ!? ちょ、ちょっとまこぴーっ み、耳の後ろ舐めないで……ぁ…………んふぅっ! く、くび……ひゃぁ」




- Missy Explorer -



「……っていうことがあったのっ☆」
「ま、まこぴーっ!」
「ほほう、そういう事が……」
「ゆーいちさんも興味深そうに微笑まないで下さいっ! 大変だったんですよ」
「まこぴー」
「あぅっ」
 ぱちんと指を鳴らすゆーいち。まこぴーは敬礼してみっしーを羽交い絞め。
「みっしー、豆知識だ」
 突然の事にされるがままのみっしーに、ゆーいちはニヒル笑いを浮かべて
「"explore" には『診察する』という意味もあるのだっ! というわけで、今日はみっしーを心行くまで診察することにする」
と通達。恥医者ごっこ開始。




- Missy やっぱり Explorerに色々される -